一般社団法人羽生青年会議所 2020年度 理事長所信

理事長 駒澤朋巳写真

誇り高く

~自らの成長が地域の未来をつくる~

一般社団法人羽生青年会議所
第40代理事長 駒澤朋巳

「唯この地を愛し、将来に大きな夢と希望と情熱を持った青年の集まりにしたい」
一人では無理でも、切磋琢磨し協創し合う仲間がいれば、大きな夢が叶えられる。
それが誇り高き羽生青年会議所創始の想いです。

はじめに

56年ぶりに東京でオリンピックが開催される2020年。
嫌が応にも日本という国の経済、文化、環境、そしてそこに暮らす「ひと」が世界から注目されます。技術革新による産業のスピード化やIT促進によるグローバル化を遂げる一方で、少子・高齢化の進行や人口減少社会の始まりなど、物質的課題から人的課題へと移行しています。
国際社会における経済の現状を見た時、かつて先進国・開発途上国と表現された考え方は覆り、これまで途上国であった国は凄まじいスピードで成長を続けています。
地域社会に目を向ければ、未だ主要都市圏に経済が集中している傾向にはあるが、GDPの半分を占める地域経済の再興が日本の経済成長に欠かせない時代になっています。
モノが溢れ、カネの価値が変わり、ヒトの考え方が多様化し、目まぐるしく変化を続ける世の中で、変わらないもの、変わってはいけないものもあります。
これまで日本人が大切にしてきた相手を思いやる利他の精神や義理人情の精神といった世界に誇るべき日本の文化であり、「ひと」の想いです。
経済的に豊かでも、そこに「ひと」の想いがなければ、青年会議所の理想とする「明るい豊かな社会」にはなりません。
社会とは「まち」であり「ひと」です。確固たる想いを持ち、絶えず変化を繰り返す世の中で、その時理想とされる社会、即ち「まち」や「ひと」を明るい未来に導くことができるのが青年会議所です。
我々青年会議所メンバーの成長が社会の成長に繋がる事を信じ、変化を恐れず、組織がもたらす成長の機会を見逃す事無く、誇りを持って歩み続けます。

ひとづくり

青年会議所は「人生の学び舎」であり、多様な職業や価値観を持ったメンバーが「明るい豊かな社会」という一つの目的に向かって活動している組織です。
そんな多種多様なメンバーが等しく成長するために、青年会議所という組織はあらゆる機会を与えてくれます。
青年会議所という学び舎に入会できたことも一つの機会と考えるならば、青年会議所の存在意義や原理原則を理解し、多くの仲間と切磋琢磨することで、あらゆる機会から価値を見出せる人財へと自己成長していくことは義務であると私は考えます。
しかし、機会を与えられるだけで成長出来るわけではありません。その機会に秘められた価値を自ら模索し、知恵を絞り努力し、運動の中で自分なりの答えを見出すこと、そしてその答えを見出すまでの過程にこそ成長があります。

家庭においては家族を支える世代、ビジネスにおいては事業所で中心的な役割を担う世代、地域においてはこれからの明るい未来を創造していく世代である我々が学ぶべき事に終わりはありません。
貪欲に学び、成長する喜びを知り、地域の未来を創造するリーダーたる人財を輩出する。
青年会議所こそ、地域に誇る素晴らしい人財を輩出する唯一無二の団体と認識されることで自ずとひとが集まり、拡大を新たな機会として、更なるメンバー同志の成長に繋がっていくと確信しています。

まちづくり

青年会議所は未来を語る団体です。
まちの未来を想像し描き、自己成長からまちの未来を創造すること、そして、このまちの次代を担う若者や子どもたちに自信をもって引き継げる社会を創るのか、先行きの暗い不安な未来を押し付けるのかは、我々青年の手に掛かっています。
「まち」を形成しているのは「ひと」であり、「ひとづくり」は「まちづくり」に繋がります。

「まちに活気がない」この大きな問題を鑑みれば、それを他の誰かに任せっきりにするのではなく、我々自身が問題と真摯に向き合い、小さな問題解決に寄与できる運動を地域の人達とともに展開していくことが重要です。
青年会議所の魅力の一つは、誰に縛られること無く、自分達の意志で理想とするまちづくりを描き、実行できることです。
その魅力を発揮し、誰よりも先んじて新たな事業を展開して参ります。

2019年度まちづくりの一環として、行政や他団体協力のもと地域を活性するために一丸となって取り組んだひまわりを用いた事業では、天候不良等の悪条件に負ける事無くしっかりと花開き、事業当日多くの方を笑顔に変えることができました。
自然や花は人の心を動かす無限の力を兼ね備えていると私は考えます。
花の待つ可能性を活用し、行政や他団体に限ること無く様々な地域コミュニティを結び付け、それぞれが得意とする力を遺憾なく発揮することで、これまでにない新たな「ひととまちを繋ぐ」事業に進化させることができると確信します。

組織づくり

40歳で卒業を迎える青年会議所では会員拡大をして行かなければ組織力が弱まり、組織の存続すら危ぶまれますが、組織論や否定的な考えではなく会員拡大の本質を見極めることが重要であると私は考えます。
会員拡大の本質とは、真に青年会議所運動に取り組む仲間を増やし、より質の高い運動を展開する事、運動を通じて修練を積み重ねることで個々の成長へと繋がり、地域に必要とされるリーダーたる人財を輩出する「ひとづくり」です。我々の運動に賛同し、協力してくれる同志が増える事で、青年会議所は地域に必要とされ、更なる進化を遂げた「まちづくり」団体となります。

会員拡大を成功に導く大きな要因となるのは、青年会議所の魅力を地域に伝え拡げる事です。
青年会議所は誰よりも社会の事を考え、真摯に運動を続けている団体であることを地域に伝える手段は、我々の事業を見て頂く他ありません。
そして我々の活動を多くの方々に周知する手段は、多様化する様々なツールを正しく有効に利用する事です。
2019年度新たに作り上げたホームページや時代に即したツールを最大限活用し、青年会議所の活動を発信することで「何の為に活動している団体なのか」事業を通して地域に伝える事ができます。
また、青年会議所の仲間は羽生のみならず、埼玉、日本全国、世界まで広がっています。
青年会議所のネットワークから発信される膨大な情報を精査し、その中から自分達の有益な情報を正しく有効活用することで、それぞれの事業や拡大活動に繋げ、魅力ある組織を構築していきます。
ただ悪戯に時間を浪費するのではなく、有意義な時間の使い方を学ぶことで、会議や各事業の質が向上し、将来的に多くのチャンスを自ら作り出す人財へと成長します。これからも青年会議所は地域を想い、地域のリーダーを輩出する持続可能な団体で在り続けるために、基盤となる組織づくりを積極的に行って参ります。

40周年という機会

誰よりも「この羽生を素晴らしいまちにしたい」と立ち上がった青年達の手により羽生青年会議所が誕生して40年。
創始の想いを胸に歩みを続けてきた羽生青年会議所の一つの節目であり、新たな未来を考える大切な機会であります。

5年前に制定した「ビジョン2020」の集大成となる本年。
過去5年間を振り返り、改めて検証することにより先の未来を見据える1年であるべきです。
組織に於いて、地域に於いて、今の局面がどのような状況なのかしっかり認識し、問題の一つひとつに真摯に向き合い、何のために、誰のために、そしてこれからどうあるべきなのか改めて考え実践していく「変化を恐れない」組織へとして成長していかなくてはなりません。
時代は変化を続けるからこそ、その時々で様々な課題を抱えています。
40年という長きに渡る輝かしい歴史を紐解けば、そこには必ず地域の未来を描くヒントが数多く存在し、私達の活動に繋がる素晴らしい地域の未来がそこには存在していると私は確信しています。また、青年会議所は日本で最もSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む団体です。
国際社会共通の目標であるSDGsを積極的に運動に取り組むことで、誰一人取り残さない社会の創造を目指します。

これまで羽生青年会議所を支えて下さった全ての方々の恩を感じ、運動の中でその恩に報いること、そして大切に紡がれてきた創始の想いをこれから先の未来へ繋げていくこと、今この素晴らしい団体に所属しているという誇りを持ち、まずは5年先のビジョンを明確に、青年会議所運動のあるべき姿を描いて参ります。

結びに

青年会議所には、出会いがあります。
青年会議所には、成長に繋がる多くの機会があります。
青年会議所には、地域を明るい未来に導く力があります。
しかし、ただここにいるだけでは何も変わりません。何も変える事はできません。誇り高き青年会議所メンバーとしての自覚を持ち、仲間達と直向に努力し、今の自分に満足する事無く、成長を成し得た自分がつくる素晴らしい社会を想像しましょう。「明るい豊かな社会」を実現できるのは我々しかいません。あらゆる機会から価値を見出し、自身の成長をもって組織を強固なものとしていけば、我々に出来ないことはないと私は確信します。

創始の想いを胸に、メンバー同志が、そしてこのまち全体が団結し、青年会議所の描く夢を実現して参りましょう。