一般社団法人羽生青年会議所 2024年度 理事長所信

進取果敢

~立ち止まるな 進めば道は見えてくる~
一般社団法人羽生青年会議所
第44代理事長 長澤 允

はじめに

「新時代」この言葉も実感できるほどの目まぐるしく変わる社会情勢によって、日々の生活様式も変化し、価値観も大きく変化してきました。その中で、青年会議所の在り方も大きく変化し「明るい豊かな社会」の実現をするためには私たち自身も変化に対応していかなくては多くの機会を失うことになります。このような状況だからこそ、地域に頼りにされる存在となるべく、これまで以上に地域の未来を担う志を持った人財をより輝かせる貴重な機会を最大限に生かし、地域の発展に繋げていかなければいけません。
地域のため、自分のため、家族のため、会社のためと思いながらも多くの時間を犠牲にして活動をする意味があるのか。その答えは自分自身で見つけるしかありません。青年会議所が掲げる「個人の修練、社会への奉仕、世界との友情」という三信条、活動に意味や答えを
求めるのではなく、私たちの活動の先に答えがあります。
青年会議所は単年度制という特殊な組織です。毎年様々な役割を経験するからこそ自身の新たな強みの発見や、強みをより伸ばすことができます。中には得意分野でない経験をすることもありますが、与えられた役割を演じ切ることで新しい自分に出会える経験ができ、
個の成長へ繋げることができます。様々な経験をすることで、おもしろい、好き、熱くなりたい、そのような心を燃やせるものに出会えるはずです。その炎は必ず仲間に伝播し、地域にも伝播していくはずです。仲間の心にいかに燃やせるものを見つける機会を提供できる
か、これが私たちに求められていることだと思います。一人で出来ることはたかが知れていますが、同じビジョンに向かい、手を取り合うことで、結果は10にも100にもなります。心を燃やした個があふれた集団はエネルギッシュで強く、地域や他団体をも巻き込んでいく運動を起こせるはずです。地域一体に仲間意識を醸成し、みんなで明るい豊かな社会を作っていこう。

拡大への想い

青年会議所とは多様な職業、様々な想いを持ったメンバーが「明るい豊かな社会」という一つの目的に向かって活動をしている組織です。そんな多くの想いを持ったメンバーが等しく成長するために、青年会議所という組織はあらゆる機会を与えてくれます。
青年会議所に出会った事も一つの機会と考えるならば、青年会議所の存在意義や原理原則を自らが理解し、多くの人と出会い想いをぶつけ合うことであらゆる機会から価値を見出せる人財へと自己成長していくことが義務であると考えます。しかし、機会を与えられた
だけで成長が出来る訳ではありません。その機会に秘められた価値は、自らが率先して行動し、知恵を絞り、運動の中で自分なりの価値を見出す事、その価値を見出すまでの果敢に挑んだ努力の先にこそ成長があります。
メンバー数の減少は事業規模の縮小、多様性の消失にともなう学びの減少、そしてもっとも危惧するのは熱量の低下であります。熱量がなければ何事も運動として広がりを作っていくことはできません。また、メンバーが成長を続けていくには、個性に富んだ多くのメンバーがいることで多様性を学ぶ環境があり、メンバーを増やし続けていくことが必要です。
つまり、メンバー数を増やしながら、熱量をあげていく、その両輪を回していかないと熱量を持続可能にしていくことはできません。しかし、青年会議所は単年度制という仕組みで運営が行われています。様々な役割を経験することで学びを深めることがメリットであり
ますが、その一方で近年の結果は担当委員長の能力に依存している部分が否めません。会員減少傾向の中、年間を通して事業を行いながら、会員拡大運動を行い、モチベートして熱量を高めていく仕事量は非常に多く、決して持続可能であるとは言い切れません。持続可能な運動のために、熱量をもって新たな仲間を獲得していくためにも、数を増やし続けるための仕組み化ができれば、自然と人が集まる組織といった効率の良い運営が可能となると考えます。
多くの人と出会い、成長する喜びを知り、地域に誇る素晴らしい人材を輩出する唯一無二の団体と認識されることで新たな機会が増えさらなるメンバー同士の成長に繋がる運動を展開してまいります。

地域への想い

地域の未来に思いを描き、自己成長と共に地域の未来を創造する事、そして、この地域の次代を引き継げる社会を創るのか、先行きの暗い不安な未来を見てもらうのかは、私たちの手にかかっています。地域の未来を創るのは私たちの想いから始まり、勇気を強く持って行動することで地域の未来を作ります。私たちが問題と課題に真剣に向き合い、多くの問題解決に果敢に挑戦し運動を展開していくことが重要です。青年会議所の魅力の一つは、誰に決められる事でもなく、私たちの意志で理想とする地域を描き実行できることです。その魅力を最大に発揮し、誰よりも先に新たな事業を展開した 2023 年度では、多くの協賛や他団体の協力のもと地域の未来に対し、多くの意識変革をもたらしました。また、メンバー同士も青年会議所の無限の可能性、力を発揮できることを実感でき何事にも挑戦する勇気を与えられました。しかし、未だに青年会議所に対し良いイメージもあるが、ネガティブなイメージがあることも否めません。一概にすべてを否定してはならないですが、悪いイメージが先行して外部の方々に聞こえてきているのは事実だと思います。2024 年度はそんな現状から脱却すべく、更に事業を進化させ運動の幅を広げていくために、地域に魅力を伝えることと発信することが重要であり、地域との距離を近いものにしていく運動を展開してまいります。

組織への想い

近年、拡大に成功してきた羽生青年会議所ですが、経験が浅いメンバーが大半を占めているのが現状です。経験値や知識は役職を重ねることで得ることができますが、役職を重ねずとも多くのメンバーに先輩諸兄姉が長い年月をかけて創り続けて来た伝統ある創始の想い
をしっかり引継ぎ、そして成長していくことが私たちの急務であります。しかしながら、青年会議所における役職は年々入れ替わり、経験の浅いメンバーが多く在籍する中、口伝での知識の伝承は難しいところがあります。こういう経緯で始まったとか、これをやって失敗したとか、こうすべきだとか、やってみなければ分からなかったことが伝わらないのでは組織としての価値が低いままです。しかし、組織運営の仕組みをしっかり見つめ直し、メンバー全員で組織を理解し、これからも持続可能な青年会議所の基盤となる仕組み創りを積極的に取り組み、確実に知識を伝承することができる研修を行なうことで、単年度制と卒業という青年会議所の弱みを補完できると考えます。
「より良い変化をもたらす力」とはすなわち「運動を創る力」です。そのためには、運動を起こすことのできる事業を作る能力を私たち自身が身に着ける必要があります。どんな背景で、どんな目的をもってどんな事業を行い、どんな効果が期待されるのか、という思考
形態は私たちのビジネスにとっても重要だと考えます。そのための良い練習台が議案書であり、誰かの行動を変える事業の作り方を身に着けてもらうことが必要不可欠です。
また、私たちの活動が限られた団体や地域にしか認知されていない現状があり、同時に変えていかなければならない課題でもあります。知って頂けているから出来る活動もあり、また多くの方々に知って頂けているから繋がる運動もあり、機会も増えます。組織が発信する
情報によって、私たちの活動や魅力を伝え共感を呼び、憧れを得ることができれば、それこそ羽生青年会議所の存在価値に繋がります。ホームページを効果的に運用し、様々な SNSの特性を見極め活用するとともに、今ある広報ツールを利用して、受け手のことを考えどの
ように情報を届け、その情報にどう共感してもらうのかを考えた、継続した効果的な広報活動を行ってまいります。

結びに

青年会議所だから出会えた人、青年会議所だから感じた場所、青年会議所だから出来た事、青年会議所の可能性は無限大です。しかし、今、参加しなくては出会う機会はありません。今、行かなくては何も感じ取れません。今、行動しなければ何も始まりません。青年会議所メンバーとして自覚を持ち、今の自分に満足することなく成長する覚悟をもって素晴らしい未来を描きましょう。
「明るい豊かな社会」を実現できるのは私たちです。羽生青年会議所に出来ないことはありません。今しか得られない多くの機会をつかみ価値を見出し、共に成長し未来のためにメンバー一人ひとりが勇気をもって挑戦しよう。