一般社団法人羽生青年会議所 2023年度 理事長所信

情熱

~共感から始まる未来への絆~
一般社団法人羽生青年会議所
第43代理事長 金子 裕多

はじめに

私たちは何のために青年会議所運動を行うのでしょうか。

地域のため、自分のため、家族のため、会社のためなど、様々な理由が挙げられると思 います。そんな私たちが所属する青年会議所は、地域の課題解決に向けて取り組む団体であり、日々の社会情勢が刻々と変化していく中にあっては、それぞれ異なる立場でありながらも、地域の課題解決に向け一致団結して邁進することが必要です。
そのような挑戦をし続けるためには、出来ない理由を探すのではなく、常に、『今、自分 達に何が出来るだろう』と考え、行動し続けなければなりません。昨今の新型コロナウィルス蔓延が始まってから約2年半の月日が流れ、世界全体の社会情勢から日々の生活様式も様変わりし、それに伴い、世界規模で、青年会議所運動の在り方も大きく変化してきました。取り巻く情勢の変化に追いつくためには、青年会議所自体も変化していかなければなりません。もっとも、新たな経験則を生み出すためには、その過程にある歴史に想いを馳せる必要があります。過去から紡がれたすばらしい経験や価値の上にこそ、確固たる信念に基づいた新たな価値を創造できるからです。経験の浅いメンバーが増加した今こそ、先輩諸兄姉が42年間築いてきた、かけがえのない財産に想いを馳せ、未来へ紡いでいく責任をメンバー全員が感じなければなりません。その責任を全うするべく、仲間と共に、どんな困難にも情熱をもって立ち向かう勇気を持ち続け、例え失敗をしたとしても前を向き、突き進むことのできる組織でなければなりません。私たち羽生青年会議所が、情熱をもって課題に対して挑戦する組織であることこそが、最も必要なことであり、それが本来の青年会議所の姿と考えます。
羽生青年会議所が「情熱」を持ち続ける組織であり続ける限り、私たちの未来、このまちの未来を輝かせることができると確信します。

情熱を持った拡大推進

私たちの活動がより多くの地域住民に共感をもたらすためには、組織に属する「数」が必要です。しかし、その大前提の上で、より多くのインパクトを組織内外にもたらし、絆を広げるためには、メンバー同士の密な交流による共感が必要不可欠です。
単に拡大をしただけでは、メンバーは、青年会議所の理念に共感した真の JAYCEE になったとは言えません。例会への出席率も高く、向上心も高い、常に機会を求めていく姿勢のメンバーを育てていくには、既存の LOM メンバーとの積極的交流による帰属意識の醸成が必要不可欠です。人は人でしか磨かれないという言葉にあるように、メンバー間のより深い繋がりや絆を構築することで、地域の未来を担うより高い意識を持った真の JAYCEE へと成長していくのです。
2023 年度、羽生青年会議所は、情熱あるメンバー同士の切磋琢磨によって、メンバー全員が真の JAYCEE として輝けるように、また、メンバー全員が 40 歳まで理念に共感した状態で走り続けられる組織となるように、人によって磨かれる機会を多く創出していきます。

情熱をもった、共感を広げる地域事業

私たちは、羽生青年会議所のメンバーとして、地域のことを第一に考えなければなりません。
昨今の新型コロナウイルスの流行、WITH コロナの時代への変遷は、私たちの生活に多大なる影響を及ぼし、人々の生活様式も刻々と変化していきました。それに伴い、地域の様相も、変化してきています。これまで既存で、当然のものとしてそこにあった「あたりまえ」が、あたりまえでなくなる時代に、すでに突入しているのです。私たちはこの時代に、羽生の青年らしい発想で、課題を見つけ、解決する道しるべを常に提示し続けられる組織でなければなりません。
また、日本は地震大国であり、また、乾燥した季節には火災も発生しやすい国です。
東日本大震災を始めとした多くの災害では、尊い命が奪われ、日本は悲しみに沈みました。
私たちは、震災を通じて得た経験を、今後起こり得る未曾有の災害への対策として、また、次世代に向けた教訓として残していかなければなりません。震災から12年が経過する今、改めて、防災という観点から、地域を見つめ直さなければなりません。そして、防災は、官民が一体となって行動することで、より大きな相乗効果を生むことが明らかとなっています。地域に住む私たちだからこそ、行政、市民の全てを巻き込んで、大きな防災効果を生むような事業を展開する必要があります。
そして、まちの未来をより良いものにするため、同じ地域で生活する仲間と交流を深め、笑顔溢れる地域活性の糸口となる、地域の魅力に新しい可能性を見出します。

情熱をもった広報活動と盤石な組織運営

私たちの運動がいくら魅力的なものであっても、その活動が第三者に伝わらなければ、効果は半減してしまうと言っても過言ではありません。SNS等を利用した発信はすでに定着したものであり、単なる情報の垂れ流しは、意味をなさない時代です。私たちは、この溢れる情報の中で、どれだけ羽生青年会議所の「ファン」となってくれる方々に、より価値のある情報を届けるか、ということに目を向けていかなければなりません。今 年1年、羽生青年会議所は、全ての事業、行動について、魅力的な広報の発信を心掛け、より多くの「ファン」が作れるようにしてまいります。
また、運動の基盤を作るのは組織であり、組織が盤石でなければ、足元が揺らいだ不安定な事業が継続するだけであって、地域へ大きなインパクトを与えることはできません。今年1年、私たちは、全ての事業を成功させるべく、その下支えとして、盤石な組織運営を行うための努力をし続けていきます。その上で、より組織の効率化を図ることで、情熱をもった事業が最大の効果を得るために、組織の効率化を図ります。
さらに、本年度はビジョン2025の中間年にあたります。ビジョンの検証を行い、羽生青年会議所の向かうべき姿を再認識すると共に課題を見直し、今後の事業を修正していきます。

結びに

私自身は、敬愛してやまない先輩の背中を追う形で、JCに入会させていただきました。これまでは、先輩の背中を常に追い続け、その後ろから先輩方の見る景色、発する言葉、地域やメンバーへの情熱を、常に見続けてきました。メンバー個人の活動期間は有限であり、背中で語ってきた先輩方は卒業されていきました。羽生青年会議所がこれからさらに発展していくには、先輩を常に見続けてきた私が、情熱をもって導いていかなければならないと強く自負しています。
特に今年度は、メンバー間の積極的な交流を、私自身が、ある時は先頭に立って、ある時は背中を押してあげるように導くなど、いろいろな立ち位置に立ちながら行うことで、メンバー全員の絆を育てます。そうすることで、メンバー全員が地域にとってなくてはならないリーダーを目指す組織へと成長していきます。
未来への情熱をもった挑戦は、私たちの確固たる使命であり、私たちでしか成し得ません。
私たち羽生青年会議所の、無限の可能性を信じ、情熱を持った多くの仲間と共に、一致団結して「明るい豊かな社会」を実現するべく、邁進していきましょう。