一般社団法人羽生青年会議所 2025年度 理事長所信
はじめに
羽生青年会議所は、街と田園が一体となり地域の結束力が強く、人情溢れるこの羽生市にとって必要不可欠な存在になるべきだと考えます。では、どうしたら必要不可欠な組織となるのか、全てのきっかけは「人」だと思います。
「青年会議所って何ですか?」と問うと「やっていればわかるよ。」ある先輩からの言葉です。当時の私は未熟すぎて理解ができませんでしたが、今なら少しわかる気がします。入会当初は、青年会議所に苦手意識をもっていましたが、仲間と活動していくうちに印象が少しずつ変化してきた事に気付きました。青年会議所は「修練・奉仕・友情」の三信条を掲げ、今なお受け継がれており、青年経済人の活動指針となっています。若い人々が集まり自己啓発・修練を行う場であり、培われた力を用いて地域社会に奉仕し、それを支える力として会員同士を貫く友情があります。その全てに共通するのが「人」であり、人に対しての思う気持ち、思われる気持ちこそが私に成長の場を与えてくれました。それこそが、先輩からの言葉の真意だと感じます。
楽しく挑戦した先に
青年会議所は、青年の真摯な情熱を結集し社会貢献することを目的に組織された青年の団体で、任期は1年に限られています。だからこそ、限られた時間の中でどれだけ有意義な活動を展開できるのかが課題となります。そのためには、一人ひとりがポジティブな目標を掲げ、活動の中で挑戦できることを模索し続けていかなくてはなりません。しかし、限られた時間の中では何かを犠牲にすることもあり得ます。苦悩の連続で、時には消極的になることもあるでしょう。しかし、それを乗り越えた先には新しい自分自身が在り、苦しかったことは良い思い出に変わります。失敗は挑戦した人にしか得られない経験です。恐れず果敢に挑戦した結果こそが、自身の最大の糧になるはずです。
楽しむ事は物事の入り口にとっては重要であります。しかし、楽しいが先行してしまうと、青年会議所活動の本質が見えなくなってしまいます。楽しいを感じる事ができるのは、組織の基盤が確実性を持っているからに他なりません。基盤をより強固なものにするためには、会議所の原理を理解し実践する必要があり、そういった土台形成に向けて、やはり一人ひとりの意識や所作、佇まいが欠かせません。確実な基盤の下、様々な事を肌で感じ取り一人ひとりが自身の考えを構築し自発的行動を体現すれば、将来のリーダーの要素を掴むきっかけを得ることができ、組織の中での役割を理解し責任をもった活動が拓けてきます。その結果、「組織×楽しさ」が一人ひとりに根づき大いなる飛躍に繋がると信じています。
情熱を持った活動の先に
我々は時代に即した事業を展開する中で情熱を持った仲間と出会い切磋琢磨し、相互扶助の精神を養い、一人ひとりが個性溢れる素晴らしい人財となってきました。そして一人ひとりが固定概念にとらわれることなく新しい発想をもって、青年会議所を盛り上げるリーダーという想いを持ちその一歩を踏み出してまいりました。
青年会議所は、価値観の違う仲間と様々な事業を通じて交流し、想いをぶつけ合える事が、一番の自己成長へと繋がります。しかしながら、想いをぶつけるにもメンバーの出席率の低下が目立ち温度差が生じているのが現状です。せっかく個性溢れる素晴らしい面々が在籍してるのを活かさなければ損です。成長の機会に気づかず漠然と活動しても得るものはなく、チャンスは手のひらからこぼれてしまいます。そのために、本年度は全メンバーとの交流を図り、出席率の向上に繋がるロジックを考えていきたいと思います。メンバーそれぞれの個性や強み、矜持を見極め、各活動において的確な役割を与え、自身の可能性に築くきっかけ作りを目指し、自らが率先して意見表明や行動で示すことが仲間への信頼・友情に繋がり、有意義な活動の糧になると実感できるよう促します。そういった環境を提供するために、様々な人が興味を抱くような活動を展開することで、メンバーの意外な一面を知り、仲間との絆を深め、価値観の違いを認め尊重し合える真の仲間づくりを育み、今後の青年会議所や仕事、家庭にも活かせる学びを共有したいと考えます。そして、組織について尋ねると「魅力溢れる団体だよ」と、メンバー自身が誇れる活動に繋がり、メンバーが組織の魅力に気付くことができれば、自ずと対外にその空気は伝播していき、誇らしい活動に賛同してくれる未来の仲間に辿り着きます。
地域に今できること
近人口約 54,000 人の羽生市。決して大きな街ではないですが、私はこの街が好きです。そのような気持ちの仲間たちが集う青年会議所は、いままでも数多くの地域事業を展開し、地域の方々、諸団体の方々、そして先輩諸兄姉の協力のもと今日まで活動してきました。
街の大小問わず、地域のニーズに即した活動展開、地域の方々から様々な情報をいただきそれを推進力に繋げる、これこそが青年会議所の醍醐味だといえます。私達が迷いなく活動できるのは、協力してくださる方々のおかげです。迷ったときは、叱咤激励を。成功したときは、称賛を。常に寄り添い、支えてくださるのは紛れもなく地域です。それ故に、今までに交流をしてきた地域関係諸団体、家族、全ての絆に感謝の気持ちを込め子どもから大人まで誰でも参加できる事業を展開しようと考えています。羽生という地域を巻き込んだ事業ができれば、私達の成長の証であり、人と人が繋がった結果をお見せすることができます。それこそが、私にできる地域還元であります。その場では、更に人と人が繋がり大きな輪になっていき、また新たな可能性が産声をあげる。そのような正の連鎖になることを目標にします。そのためには、行政や地域関係諸団体、各青年会議所などの協力が必要です。もちろん我々羽生青年会議所も委員会の垣根を越え一丸となり事業を構築し挑んでいきます。その結果、挑戦したことは一人ひとりの経験値となり自身が青年会議所を通して新たな未来を考えるようになると信じています。私は「きっかけ」の場を作ります。このきっかけを自身の成長に繋げ、メンバーが今後の地域の未来を想い描き、一人ひとりがリーダーとして活躍していくビジョンを持てると確信しております。
誇りを胸に 45 周年へ ~脈々と受け継がれてきたバトン~
2020 年は羽生青年会議所にとって 40 周年でありましたが、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、我々は活動自粛を余儀なくされましたが、「我々が歩みを止めてはならない。」その言葉を一心に活動してまいりました。「笑顔は人々にとって必要なものであり、人と人が交流を深めるうえで重要な要素です。」当時の理事長の想いを私なりに解釈し、今なお私が理想とする地域の要素の一つです。
ビジョン 2025 では「持続可能な自己実現の場」を掲げ 5 年間歩んで参りました。その歩みの中、新たな仲間と出会い青年会議所への誇りを胸に情熱をもって様々な事業を展開し、誰でも成長できる環境づくりとして、育 LOM 宣言、会費の見直しなどで間口を広げて会員拡大率で日本一に輝きました。更には、あらゆる方面から必要とされる存在になるべく組織を構築し、地域と協力し防災の大切さを伝え続けてきました。そのような中で、日本は多様性の時代へと変化し我々青年会議所も柔軟な対応を強いられました。「組織としてどうあるべきか?」新たな事に挑戦することは革新的だと自負する一方で、組織として大切なものを置いてきているのではと悩んだこともありました。しかし、我々が歩みを止めず苦悩しながらも果敢に挑んできた結果、今日まで青年会議所が在り続けているのだと思います。
2025 年度はビジョン 2030 を策定し、未来の世代に繋ぐ礎を築いてまいります。今の自分に何ができるのか、それぞれが試行錯誤し、今だけでなく未来をも考えて活動展開すれば、50 年、60 年、100 年先もこの想いが継承され、地域は輝かしい未来へと舵をとれると確信しています。変化する時代に嘆くことなく、「この羽生を素晴らしいまちにしたい」この想いを 45 年間築き上げた先輩諸兄姉の意志は我々メンバーに脈々と受け継がれております。
その想いはしっかりと届いていることを改めて先輩諸兄姉に感じてもらい、私は私らしい周年式典を執り行いと考えております。
最後に
仕事柄私は、羽生市の未来を考える事が多々あります。地域に必要とされているのは何か、住民は何を求めているのか、そのためには何をする必要があるのかと掘り下げると、いつも頭の中に青年会議所の存在が浮かびます。青年会議所は、想像したイメージを具現化できる団体です。沢山の仲間が存在しているということは、多種多様な価値観や個性に溢れています。無数の魅力に満ちた羽生青年会議には無限の可能性が秘められています。「明るい豊かな社会」を目指して、一人での一歩は小さいかもしれませんが、仲間と共に踏み出すことができれば、それは間違いなく力強く大きな一歩になると信じています。行動すれば、未来は確定していく。この街の魅力、青年会議所の魅力、自身の魅力を存分に発揮し、魅力溢れる組織となるよう共に歩んで行きましょう。